コラム


痩せている筆者が実感した糖質制限と加圧トレーニングによる体の再生【File No.7 】

2017.07.23
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糖質制限は、太った人に適した減量効果のイメージが強いと思う。しかし、痩せている人でも、体質改善、アンチエイジングの目的で、糖質制限はお奨めのダイエットだ!

身長155cm、体重40.2kg、50代後半の筆者(♀)は、1年10ヶ月の糖質制限と1年9ヶ月の加圧トレーニングにより、疲れ知らず快眠平熱上昇筋力回復胃薬要らず 等々。28年ぶりに健康な体を取り戻した。

 

筋力なし、痛み、冷え症、不眠、だるさの28年間

筆者は、27歳の時に腰椎間板ヘルニアで2ヶ月入院した。おもりを腰につる寝たきり生活で筋肉がすっかり削げてしまった。週1回の脊髄注射で食欲もなくなり、体重は37kgまで落ちた。

そのためか、手首、肩、脚の関節がすぐに外れるようになり、想像つかないだろうが、人がぶつかるだけでも肩関節が外れてしまう。歩いた瞬間、膝関節がはずれ3ヶ月間松葉杖生活にもなった。たいした重さでもない荷物でさえ5分と持てない。

筋力回復のため、負荷のかからないプールでの水中運動を試みたが、冬場はジムを出て外気に当たるとすぐに風邪を引くため、夏限定リハビリとなり筋力UPとはいかなかった。結局、体に適した運動が見つからず、歩くことが唯一の運動となった。

体温は低く、35.4~35.6度が平熱。冷え症なので、冬場のホカロン使用量は1日10個以上。夏場もかならずホカロンがバッグに入っている。家には常時300個以上のホカロン備蓄があった。

42歳の時には、大きな鉢を持ったことで左右の親指が曲がったまま元に戻らなくなった。ばね指と診断された。曲がったままの親指と付け根の痛みはひどく、湿布薬とサポータ生活が7年間続いた。

筋力がなくガリガリの背中がマットに当たり、痛みで2、3時間おきに目が覚める。熟睡できないのでだるさがいつもある

ペインクリニック、整形外科、心療内科、婦人科、鍼灸医などの診察券は、トランプができる位の数に増えた。腰、両膝、両肘、手首、胴回りのコルセットまである。湿布薬もどれだけ消費したか。こうして爆弾を抱えたような体を気力で動かしながら28年間を過ごしてきた。

 

多糖人だった食生活

ヤセの大食い&大酒飲み(苦笑)筆者の食生活を振り返ってみると、バリバリの糖質過多だった。

痩せているので太りたい一心で「活力源はごはん!」と夕食にはおにぎりを必ず食べていた。炊き込みごはんもよく作り、2杯は食べるように心がけていた。これだけで糖質量100g以上(角砂糖25個以上)もある。今思うとゾッとする。

パスタ、素麺、つけ麺、うどんなどの麺類は毎日のように食卓にのぼっていた。パスタは2人前、素麺は一人で3-4束は食べていた。ヘルシーだと思い春雨のカップ麺もおにぎりと一緒によく食べた。

砂糖、みりん、日本酒をたっぷりと使い、練りもの、里芋、ジャガイモなどの糖質の多い煮物もよく炊いた。糖質(ほぼ)ゼロの油揚げ、こんにゃく、キノコ類、肉類も一緒に使っていたが、煮物はヘルシーだと、糖質量などは考えもしていなかった。

片栗粉でとろみをつけた中華の炒めもの、タマネギ、人参、ジャガイモ、レンコン、トマトピューレ、小麦粉使用の煮込み料理もよく作った。これらは、すべて糖質の多い食材だ。

スィーツ類、スナック菓子は好きではなかったが、糖質の多いせんべい、おかきは大好物。お昼にせんべいだけということもあった。

お酒は、まずはビール辛口スパークリングワインを、そして辛口白ワイン。刺身や珍味には日本酒。甘くないドリンクだが、糖質をゴクゴクと飲んでいたのだ。

 

痩せている人にも向いている糖質制限

3年前、筆者がこの仕事に関わった時、糖質制限は、《メタボおやじに必要なダイエット》《糖尿病の血糖値コントロールができる食事療法》程度の認識だったので「おかげさまで、痩せている私には糖質制限は必要ないのですが・・・」と公言していた。

ある時、取材をした糖質制限推奨医師から「糖質制限は、女性にありがちな冷え性改善うつ病やイライラ解消、さらにはスタミナが枯渇しない体づくりにも効果があるから、貴女のように痩せている人にも向いていますよ。」とアドバイスを受けた。

さらに、Pocorin記事「糖質づけだった医師の告白 」の整形外科医の花岡篤哉医師から「ばね指は、糖質過多の食生活で起こる骨周辺の糖化が原因。」と聞かされ、愕然とした。「もしかしたら、私の関節はあちこち糖化現象になっているかも?」

こうして「食生活を見直して、体の再生をやってみよう!」と多糖人の筆者は、低糖人になることを決意。老後に備えた健康的な体づくりを目指し、還暦前の主人も低糖人同志になった。

 

主食(メインディッシュ)は肉類になる

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一人分300gの牛ステーキ。糖質はゼロ!

我が家のメニューが劇的に変わった。主食(メインディッシュ)は、ごはんから肉類となった。

肉は、ガーリック、ローリエなどのハーブ類で香りづけすることもあるが、塩、こしょうのシンプルな味つけだ。フライパンで焼くかオーブン料理が多い。固まり肉や骨付き肉は圧力釜で炊く。一人150g~200g以上の肉を食べるので、ごはんなしでも満腹になる。料理時間もグッと短縮された。

おかず(サイドディッシュ)は、豆腐、蒸し大豆、キノコ、ブロッコリ、葉もの野菜、魚介類が中心だ。

豆腐はとても重宝な食材で、まずはごはんの代替品となる。そぼろ肉、じゃこ、オクラ、ツナなど、その時にあるモノを豆腐にのせてアマニオイルをかけて食べる。そこそこの値段の豆腐がお奨めだ。大豆本来の味を楽しめる。

おかずをごはんと一緒に食べることがなくなると、おかずは自然と薄味となる
。さらに、糖質を控えると味覚が鋭くなり、甘みは強烈に感じる。今まで使用していたぽん酢は甘くて使えなくなった。また添加物入りの食品はケミカルな味がして食べられない。

朝食は、パンなし or 糖質オフのクラウドブレッド市販の低糖パンは、低糖だが添加物が多すぎるので、薄くスライスしたフランスパン1枚(糖質10g未満)にバターやクリームチーズをたっぷりとつけて食べることもある。

葉もの野菜&ブロッコリ&少量のトマトのサラダを卵料理に添えて、マヨネーズとオリーブオイルをたっぷりかける。低糖ヨーグルトはアマニオイルをかける。そして良質豆の珈琲を飲む。

昼食やおやつは、唐揚げ、チーズ、アーモンドやクルミを食べるようになった。ナッツ類はタッパーに入れていつも持ち歩いている。

注)「砂糖なし」表示のヨーグルトは糖質はあります。「脂質50%オフ」表示のヨーグルト、「カロリーハーフ」表示のマヨネーズは、糖質が普通のものより多いです。購入時には、必ず、栄養成分表示の糖質(炭水化物)量をチェックして下さい。

 

動物性たんぱく質と脂質をたっぷり摂るのがコツ

糖質制限は太った人が痩せるのだから、痩せている筆者も3ヶ月で42kg→37kgまで体重が落ちた。

糖質制限をはじめた頃は、まだ既存の栄養学常識が抜けず、コレステロールが気になりラードや脂身の多い肉は避けていた。しかし、Pocorin記事「甘い物が止められなかった女医が試みた3つのダイエット」の田中亜矢子医師から「特に女性は、もっと”動物性”のたんぱく質と脂質を増やすこと。」「まだ脂質の摂取量が少なすぎます。」とアドバイスを受けた。

炒めものはラードを使用することが多くなった。豚肉のバラ肉も積極的に食べるようになった。ナチュラル・チーズは小腹が空くと食べている。糖質は多いが少量のくだものはたまに食べる。体重は3kgもどり快調だ。

牛肉の種類による面白い体の反応があった。高級な霜降り牛肉は食べ過ぎると胸やけがする。和牛300gステーキを食べて嘔吐したこともあった(もったいない話だ)。MEC食で毎日200g以上の肉類を食べている田中医師によると、霜降り牛肉は嗜好品であり、並肉による脂質摂取が適切だそうだ

注) 糖質制限ビギナー(特に女性)の落とし穴! カロリー・ダイエットの食材イメージから、豆腐、大豆、野菜、魚、ささみ肉などを食べている人が多い。脂身のある赤身肉、オイル、チーズなどを充分取らないと、肌の状態が悪くなったり不健康な痩せ方になるので要注意!

 

若い頃よりもエネルギッシュに動ける

主人と低糖人となり、二人の劇的な変化は、疲れなくなった!ことだ。

若い頃から、夜になると必ず口に出していた「疲れた。」という言葉を発しなくなった。糖質ではなく脂質をエネルギーとするケトン体体質になると、軽快にエンドレスで動ける。

ごはんなしの低糖夕食なので翌朝は快適に目が覚めてすぐに動くことができる。朝に弱かった主人は珈琲を気分よく煎れてくれる。主人は夜仕事をしながらアイスクリームやチョコレートを食べていた。

筆者の平熱は36度台になり、冷え性も改善。昨年冬からホカロン使用は足の甲だけになった。

胃の調子もすっかりよくなった。麺類、丼物、ハンバーガー、ピッザ、せんべいなどを食べた後は必ず胃腸薬のキャベジンを服用していたが、最近出番がない。今まで食べられなかった揚げ物は、ごはんや糖質の多い料理と一緒に食べていた事もわかった。胸やけや消化不良の原因は、糖質だったのだ。

肌のつやもよくなり、アンチエイジングには、高価な美容液よりも、糖質制限&たっぷりの脂質とたんぱく質摂取だと実感している。

主人は、現在173cm、59kg。健康的に10kg痩せ「60代には見えませんね。」と言われ気をよくしているようだ。生き方もポジティブになり、1時間20分の通勤では、毎日ジムに通ったと思えばと、急な上り坂、地下鉄の階段を、軽快に上っている。

 

加圧トレーニングとプロテイン補給で、28年ぶりに筋力がついた

加圧トレーニングは、腕と脚をベルトで締め10分程度の軽い運動をした後に、ベルトを外してさらに15分程の運動をする。激しい動作がないので、関節がすぐにはずれる体質の筆者には向いているのではと、以前から興味はあった。

取材で、高知市の加圧トレーニング・スタジオBeauty Body Labo代表の尾崎泰三氏から詳細な話を伺うことができた。尾崎氏は、8年間で5000名以上人に加圧トレーニングの指導している中で、健康的な体づくりには、糖質制限が最も適したダイエットだと認識したそうだ。

筆者も、マンツーマン式の加圧トレーニングを始めた。そして、週一回、わずか30分程のトレーニングが、筋力回復の要となった。

さらに、栄養学にも詳しい静岡県在住低糖人ハナさんから「痩せている人は、プロテイン(たんぱく質)補給が必要。」とアドバイスを受け、カゼインプロテインとホエイプロテインを飲み始める。運動後のプロテイン補給はゴールデンタイムだそうで、加圧トレーニング後にも補給。「たんぱく質は筋肉をつくる」という理論を実感した。

貧弱な肩幅が広がり、股や腕に筋肉がついてきた。加圧トレーニングを始め約2ヶ月後、猫背が直っていることに気がついた。3ヶ月経つと、複数の買い物袋が一人で持てるようになった。急な坂道も平気で上れる。

背筋がついたおかげで、痛みがなく熟睡できるようになった。

冷え症改善は、糖質制限と筋肉がついたおかげだ。

湿布薬使用数も通院の頻度も減り、昨年の医療費は半分になった。良いことずくめだ!

一部の糖質関係の本には「運動せずに、痩せられる。」とあるが、体づくりには、適度な運動も必要だと筆者は自己体験から感じている。

 

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