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糖質制限で誤解しやすい食品

2021.01.16


糖質制限を始めるときに、今までの栄養常識やカロリー基準で考えるビギナーが多いので、誤解しやすい食品をあげてみました。あなたが体に良いと思って食べていた食品が、No Good(NG)!かもしれません。

 

糖質制限ビギナーが迷う食品

Q1. 甘くなければ食べてもOK?

甘くなくても糖質の多い食品はたくさんあります。例えば、主食のごはんは茶碗1杯(150g)で糖質が55.1gもあり、毎食14個分の角砂糖を食べていることになります。

Q2. 白米はダメでも玄米、雑穀米、もち麦だったらOK?

健康食品のイメージが強い玄米、雑穀米、もち麦などですが、白米と同じく糖質の多い穀物です。食物繊維が豊富なので血糖値がゆるやかに上がると言われていますが、糖尿病/境界型糖尿病の人は特にNGです。

「おかずだけを沢山食べる」「早食いを止める」「よく噛む」食習慣を身につけると、ごはんなしでも満足できるようになります。どうしてもごはん類が食べたい場合は、食事の最後に召し上がって下さい

Q3.糖質が多くても低GI食品だったらOK?

りんご、オレンジ、桃、柿、全粒粉、そば、春雨、押し麦などは、GI指数は低いのですが、糖質は多い食品です。

食後の高血糖を招き血管を傷害するリスクが高くなるので、糖尿病/境界型糖尿病の人はNGです。健常人もゆるやかですが血糖値は上がります。

Q4. 体に良いと言われる食品はすべてOK?

くだものハチミツ甘酒スムージー野菜ジュースグラノーラバランス栄養食エナジードリンクスポーツドリンクアミノ酸ドリンクなどは糖質が多いのでNG!です。特にドリンク系は一気に吸収されるので血糖値の乱降下が起こり動脈硬化が進みます。また体重増加を促進させます。

一方、くだもの類で、アボガドレモンブルーベリーなどは糖質が少ないOK食品です。

くだものやハチミツに多く含まれる果糖は低GI指数で食後の血糖値が上がりにくいとされていますが、糖尿病の人にはNGです。

“糖質40%、糖質50%オフ”などの低糖質グラノーラでも糖質量は△です。1食分20g以下の摂取量で抑えて下さい。尚、牛乳やヨーグルトをかけると糖質量がさらに多くなってしまうので、糖質の少ない無調整豆乳や無糖アーモンドミルクをお奨めします。

Q5. 乳製品はすべてOK?

すべてがOKではありません。

牛乳は乳糖が含まれているので糖質はわりと多いです。糖尿病/境界型糖尿病の人は「牛乳の一気飲み」は血糖値が一気に上がるので絶対にしないで下さい。

腸内環境を整えると言われるヨーグルトですが、糖質制限実践者で食べている人は少ないです。加糖ヨーグルトはNGです。注)「糖”類”ゼロ」「しょ糖(砂糖)ゼロ」と表示のあるヨーグルトやチョコレートは、糖質ゼロではないので、必ず糖質量をチェックして下さい。

特集記事「糖質5g未満のヨーグルトと医師推奨のヨーグルト」を参考にして下さい。

一方、チーズは”低糖質+高タンパク質”なのでお奨めの食品です。ダイエットには高カロリーだと敬遠しがちなバター生クリームも糖質制限ではOKです。

もう一つ注意点があります。乳製品には含まれるガゼインというたんぱく質により便秘や下痢を引き起こす人もいます。アレルギー症状が出た場合は『カゼインフリー(カゼインを摂らない)』の食生活を症状が改善するまで続けて下さい。

カゼインフリー食品としては、アーモンドミルク、大豆ヨーグルト、無調整豆乳などがあります。どれも低糖質です。注)調製豆乳はNGです。

Q6. グルテンフリーの食品はOK?

『グルテンフリー』ダイエットがブームですが、もともとはセリアック病の治療を目的とした食事療法です。セリアック病は、小麦、大麦、オーツ麦に含まれるグルテンが、腸管に炎症を起こしたり、依存性があるので食べないとイライラ、ウツ、注意散漫、また便秘や下痢などを引き起こします。

米粉やそば粉などは、グルテンフリーですが糖質の多い食材です。つまりこれらのパン、お菓子、パスタなどで心身不調の改善や減量などは期待できません。ちなみに日本人の患者数は1%にも満たないようです。

特集記事「アメリカで見たグルテン・フリーブームとその盲点」 をご一読ください。

Q7. コレステロールに影響すると言われている卵はOK?

卵でLDLコレステロール値は上がりません。

卵の糖質は1個でわずか0.1gです。おまけにビタミンC以外の体に必要なミネラルを含む”完全栄養食”なので、多くの糖質制限推奨派医師/糖質制限実践者は1日2個~3個の卵を食べています。

ちなみに、厚生労働省は2015年4月改訂の日本人の食事摂取基準(2015版)で「科学的根拠が得られなかったため、コレステロールを上げる食品の摂取目標量を撤廃する。」としました。

Q8. オイル(脂質)はすべてOK?

糖質制限ではエネルギー源になる脂質をたっぷり摂ることを奨めていますが、トランス脂肪酸(マーガリン、ショートニングなど)、オメガ6系脂肪酸(コーン油、大豆油などのサラダ油)は控えて欲しいオイルです。残念ながら、多くの低糖質パンやお菓子などにもマーガリンやショートニングが使用されています。

積極的に摂って欲しい脂質は、オメガ3系脂肪酸(エゴマオイル、アマニオイル、EPA、DHA)、中鎖脂肪酸(ココナッツオイル、ヤシ油)、オリーブオイルなどです。ラードやバターもOKです。※中鎖脂肪酸は”MCTオイル”と称して市販されています。

Q9. 野菜はすべてOK?

すべてがOKではありません。糖質の多いNG野菜は以下の通りです。

根菜類:れんこん、ゴボウ など
イモ類:ジャガイモ、さつまいも、里芋、ながいも など 
かぼちゃ、玉ねぎ、とうもろこし、ぎんなん、くり、甘みの強いトマト など

糖質の少ないOK野菜もチェックしてみましょう。

葉もの野菜:レタス、春菊、サラダ菜、キャベツ、小松菜、チンゲンサイ、ほうれん草、モロヘイヤ
きのこ類、豆類、アボガド、ブロッコリ、カリフラワー、アスパラ、ズッキーニ、オクラ、ししとうがらし、あさつき、ニラ、もやし、大根、かぶ、きゅうり、プチトマト、△人参(糖質がわりと少ない根菜)など、

Q10. ベジファーストでOK?

今までの糖尿病の食事療法は、吸収を抑えるために食物繊維の多い野菜から食べる「ベジファースト」を奨めていますが、糖質制限では体で吸収されない食物繊維をたくさん摂ることよりも、低糖質で栄養価の高い(たんぱく質と脂質の多い)肉、魚、卵、チーズなどを摂ることを優先します。

食べる順序も「プロテインファースト(たんぱく質から)」です。食物繊維の多い野菜はあくまでサブの食品です。

また食物繊維をたっぷり摂って便秘解消と言われていますが、実は糖質過多の食生活を送っている人は胃腸が弱くなっていることが多く食物繊維の多い野菜などは逆効果です。また便秘に良いと言われているさつまいもは糖質が非常に多いので要注意です!

ちなみに、炭水化物から糖質を引いたものが食物繊維です。

Q11. カロリー基準ではないから揚げ物はOK?

じゃがいも使用のコロッケはNG!です。唐揚げ、トンカツ、メンチカツ、天ぷらは、糖質の多いパン粉や小麦粉を使用するので、肉や魚が材料でも控えて欲しい食品です。市販の唐揚げは日本酒、みりんなどで味付けしている場合が多くさらに糖質量が上がりますので、あまりお奨めしません。

ごはんを食べないからと外食のトンカツ店で大量に出るキャベツも食べ過ぎは禁物です。

Q12. 糖質制限で推奨されるおでんの具材はすべてOK?

糖質制限実践者には人気のおでんですが、すべての具材がOKではありません。

ちくわ、はんぺん、さつま揚げなどのねりもの類は糖質が多いのでなるべく控えて下さい。たまご、大根、すじ肉、がんもどき、厚揚げ、豆腐、たこ、こんにゃくなどはOKです。

Q13. NGの麺類でも蕎麦だけはOK?

糖質の多い麺類はすべてNG食品なのですが、なぜか蕎麦はヘルシーイメージが強く糖質制限ビギナーに「蕎麦はダメですか」とよく聞かれます。蕎麦もNGです。

例えば、ざる蕎麦1盛りで糖質量は47.3g(角砂糖11個分)もあります。さらにそば湯は糖質がたっぷり、そばつゆはみりんを使用していることが多いので糖質量はさらに多くなります。イメージにまどわされずに!

Q14. どんなスープがOK?

トロリとしたポタージュ系スープ(コーンやカボチャのポタージュ、クラムチャウダー)、オニオングラタンスープワンタンスープ春雨スープなどはNGです。

市販のシチュー用ルーは小麦粉が入っているのでNGです。スープ用の具材はじゃがいもなどもNG、玉ねぎは4人分で1/2位の量に抑えて下さい。※ 市販のカレールーもNGです。

コンソメ系スープや糖質の少ない具材(わかめ、たまご、ねぎなど)はOKです。

Q15. お味噌汁はOK?

お味噌汁は具材選びが大切です。ごぼうや玉ねぎは糖質が多いので少量、里芋やジャガイモはNGです。白味噌、粕、みりんもNGです。

豆腐、油揚げ、わかめ、きのこ、だいこん、葉もの野菜、ネギ、貝類などはOK具材です

お味噌汁やスープにバター、アマニオイル、MCTオイルをたらすのはお奨めの飲み方です。

Q16. ドレッシングやマヨネーズはOK?

ドレッシングの糖質量は、種類によりずいぶん異なります。砂糖やタマネギなどが入ると糖質は多くなるので、必ず栄養成分表示で糖質量(炭水化物)をチェックして下さい。

一方、マヨネーズはOKです。注意して頂きたいのが、「カロリーハーフ」「ノンオイル」表示のドレッシングやマヨネーズは砂糖が入っていて逆に糖質は多いです。

サラダなどに、エクストラバージンオリーブオイル、MCTオイル、アマニオイル、塩、酢などシンプルにかけて召し上がるのもお奨めです。

Q17. どんな調味料がOK?

味つけの基本は、塩、こしょう、しょうゆなどです.

甘味料は、血糖値をほとんど上げない エリスリトール 99%を含むラカントS(サラヤ)がベストです。他には合成甘味料のパルスイート®カロリーゼロ(味の素)、シュガーカットゼロ(浅田飴)などもあります。

みりん、ケチャップ、ソース、日本酒はNGです。焼き肉のたれも控えたい調味料です。糖質ゼロの日本酒など低糖質の調味料が市販されているのでご利用下さい。

米酢、ワインビネガーなどはOKですが、口あたりの良い甘い酢・飲む酢などはハチミツや砂糖が入っていることが多いのでNGです。バルサミコ酢は糖質2.55g(大さじ1杯=15g)あるので使用量に気をつけて下さい。

 

さらにチェックしてほしい食品

【NG食品】

◆ 糖質の多い粉【小麦粉、そば粉、米粉、片栗粉、くず粉など】が原材料の麺類マロニー葛きりパン粉春雨などはNGです。

ドライフルーツ【レーズン、いちじく、バナナ、干し柿など】はNGです。

◆ 乾燥野菜の切り干し大根やかんぴょうなどもNGです。

◆ 昔ながらの梅干しはOKですが、減塩でもハチミツ漬けの梅干しはNGです。

◆ 水煮の缶詰はOKですが、味噌煮など味つけ缶詰はNGです。

◆ グルテンフリーの米粉パン、胚芽を含んだ小麦粉使用の全粒粉パンは糖質が多くNGです。大豆粉、ふすま小麦、おから粉、アーモンドプードルなどを使用したパンやお菓子は低糖です。ただし、市販されている低糖質パンやお菓子は糖質10g以上のものも多いので、必ず栄養成分表示をチェックして下さい。

 

【種類と量で調整してほしい食品】

◆ 市販のらっきょう甘酢漬けは、砂糖やハチミツなどが入っているので食べ過ぎは禁物です。1粒【糖質約1.3g】を目安に召し上がって下さい。ご自身で漬ける場合は、砂糖の代わりに低糖甘味料をお使い下さい。

◆ 甘いフルーツトマトは極力控えて下さい。代わりにプチトマト3個【糖質約4.5g】位を目安に召し上がって下さい。トマトジュースもお奨めしません。料理用トマト缶(約400g)【糖質約16g】を使った料理は食べる量に気をつけて下さい。

デミグラスソースホワイトソースも糖質が多いので、それらを使用した料理は食べる量に気をつけて下さい。

ポン酢ごまだれも糖質をチェックして使用量に気をつけて下さい。

◆ 大豆は調理法で糖質量が異なります。大豆製品はOKですが、炒った大豆やきな粉は△です。無調整豆乳はOKですが、調整豆乳はNGです。

市販のぬか漬けの素には砂糖が含まれている場合があるので、原材料を必ずチェックして下さい。

佃煮は砂糖、みりん等を使用しているのでNGです。ごはんを食べなくなるので佃煮は無用の長物になりますが・・・

こんぶはダシをとる分にはOKですが、そのまま食べるのは意外と糖質が多いので注意が必要です。

◆ ピーマンは糖質の少ない野菜ですが、色で糖質量が異なります。
緑色ピーマン【1.15g/45g(約1個)】
黄色パプリカ【2.13g/45g(約1/3個)】
赤色パプリカ【2.28g/45g(約1/3個)】
オレンジ色パプリカ【2.39g/45g(約1/3個)】

 

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