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糖質制限を知ろう

糖質制限とは?

糖質制限は「低糖質ダイエット」「ローカーボ(Low Carbohydrate:低炭水化物の意味)ダイエット」「ロカボ」「低炭水化物ダイエット」とも呼ばれ、糖質が多い食品を控えタンパク質と脂質をたっぷり摂る食事法です。
※「低炭水化物ダイエット」を「炭水化物ダイエット」=”炭水化物(糖質)をたくさん摂って良い”と誤解している人がいるようなのでご注意下さい!

ごはん(玄米・雑穀米を含む)、パン、麺、菓子、イモ類、くだもの、おかし、ハチミツスポーツドリンク、甘い飲み物、お酒(日本酒、ビールなど)などの糖質の多い食品は控えますが、脂身を含む肉類、魚介類、卵、オイル、チーズ、バター、ナッツ類など糖質の少ない 脂質やタンパク質の制限はありません。

またカロリー制限ダイエットとちがい低糖質であればカロリーの多い食品もたっぷり食べられるので空腹のつらさがありません。ただ、糖質制限を実践しながら、カロリ-制限的な発想で大豆類、野菜類だけの食事をする人がいますが、動物性脂質とタンパク質の摂取は必須です。

最近では「低糖質」「糖質ゼロ」「糖質オフ」「糖質〇〇%オフ」「ロカボ」「ローカーボ」などと記載された低糖質食品をスーパー、コンビニ、ベーカリー、パティスリーなどで見かけます。低糖質食品のネット通販もたくさんあるので、代替品として召し上がることもできます。
※ パッケージに上記の印がある商品でも、そこそこの糖質量(15g以上)だったり、1個分の糖質量を1袋分と誤解される記載商品がありますのでご注意下さい!

 

糖質制限は万人向け

以下の項目に当てはまる人は、年齢に関係なく、また痩せている人でも、糖質制限による体の再生ができると思います。

  • 糖尿病、境界型糖尿病の人
  • 健康診断で「高血糖」「高血圧」「脂質異常(中性脂肪やコレステロールが多い)」と診断された人
  • 太っている人
  • いつもダルイ人
  • 朝の目覚めが悪い人
  • 食後に眠くなる人
  • ウツ状態になる人
  • ニキビ、肌荒れ、アトピーがひどい人
  • 胃の調子が悪い人
  • 二日酔いになりやすい人
  • 冷え性の人

 

【必読!】糖質制限の注意事項 

以下の人は、糖質制限食を行うかは必ず医師と相談して下さい。

⇒ 糖質制限は即効性があり経口血糖降下剤やインスリン注射をしている人は低血糖になる可能性があります。

⇒ I型糖尿病の人で、糖質制限食で血糖値が良好になったとしても、医師の判断なしにインスリン注射は絶対に中止しないで下さい。

⇒ 腎機能障害、活動性膵炎、肝硬変のある人。肝障害の場合糖尿病性腎症第3期Aまでは適用となります。

 

糖尿病の食事療法として効果的な糖質制限

糖質制限は糖尿病の新しい食事療法として注目され、糖質制限食を指導している医療機関も増えつつあります。

食品の中で血糖値を上げるのは糖質だけです。低カロリーの食品でも糖質が多いと血糖値は上がってしまいます。血糖値を上げる糖質を制限するので、食後の血糖値上昇を抑えられインスリンの過剰分泌を防ぐことができます。そのため、糖尿病の食事療法としても効果的なのです。

従来の糖尿病食はカロリー制限を重視した糖質中心〈糖質55~60%、脂質20~25%、タンパク質20%〉の食事療法なので、食後の血糖値をおさえるどころか上げてしまいます

一方、江部康二医師推奨のスーパー糖質制限食では〈糖質約12%、脂質約56%、タンパク質約32%〉と糖質をグンと控えているので、その効果は絶大です。

※ スタンダード糖質制限食では〈糖質約30%、脂質約45%、たんぱく質約20%〉です。

その他の効果とは?

まず挙げられるのが、即効性のある減量効果です。

糖質を制限すると血糖値が上がらないのでインスリン追加分泌が減ります。インスリンは血糖値を下げるホルモンですが「太るホルモン」でもあるので、体に取り込んだ余分な糖質を中性脂肪として蓄えます。糖質制限により太る回路がストップします。逆に内臓脂肪の分解が促進します。さらに基礎代謝が向上するので痩せやすくなります。

主食のごはんを抜き1日の糖質量を60g以下に控えるスーパー糖質制限食を実践すると、1、2週間で2、3kgの減量効果が見られるので体重計に乗るのが楽しくなってきます。減量効果は男性の方が女性よりも速く現れます

糖尿病の血糖値コントロールや減量効果だけではありません。メタボリック・シンドロームの要素である高血糖、高血圧、脂肪異状、肥満の改善効果が見られます。さらに、逆流性食道炎、うつ病、アレルギー疾患、眠気、疲れなども改善します。

 

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【特集】記事 ”もっと” 糖質制限を知ろう - 糖質制限推進派医師監修 に効果の詳細が掲載されています。

糖質制限推進派医師が指導する糖質制限、実践者の体験談も併せてご一読下さい。
■【寄稿】糖尿病性腎症の初期から透析期まで、糖質制限は問題ない 〈腎臓内科医 塚本雅俊先生〉

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■【寄稿】糖質制限推進派の女性医師が勧めるMEC食~糖質制限をおいしく簡単に続けるために~

■ 減量だけでなくアレルギー性鼻炎も治ってしまった!【File No.2】

バーンスタイン医師が提唱する5つの効果

自身が1型糖尿病であるバーンスタイン医師は、糖質制限(ローカーボ)の本家である米国で、糖質制限による糖尿病治療を40年間実施し、その有効性を証明しています。その医師が提唱する5つの効果とはどのようなもなのでしょうか。

1. 血糖コントロールを改善し、インスリンの変動を抑制することができる。

インスリン、SU剤などの薬剤に頼らずに血糖コントロールができるため、すい臓の負担を軽減できます。また、低血糖が起こりにくくなるとされています。

2. 低脂肪、カロリー制限食に比べ、少なくとも同等には減量効果あるとされている。

実際は糖質制限食の方が高い減量効果ですが、治療法の有効性解析は、指示された食事療法(糖質制限食)を守れない人も含めた方が適切だとされている為、少なくとも同等としています。

3. 炭水化物を脂質に置換することは、一般に動脈硬化症に対して保護的(予防的)である。

糖質を減らし、脂肪を多く摂ることは、コレステロールや中性脂肪など身体の中の脂質状態を悪化させると批判がありましたが、近年HDLコレステロール(善玉コレステロール)や中性脂肪の状況が良くなり、動脈硬化などの合併症を予防することがわかってきました。

4. メタボリック・シンドロームの構成要素を改善する。

糖尿病だけでなく、メタボリック・シンドロームの要素である高血圧や脂質異常症、肥満などが改善するとされています。

5. 糖質制限食の効果に減量は不可欠ではない。

糖質制限食をはじめるとすぐに効果があります。つまり、体重が減少する前より、血糖コントロールが良くなるなどの効果があります。

この5つの効果は、臨床的な経験からくる印象ではなく、科学的な根拠がある主張だと、バーンスタイン医師は述べています。

糖質制限食のススメ:著書山田医師より抜粋

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