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糖質ゼロと誤解しやすい表示:『ノンシュガー』『糖類0g』

2017.11.20

パッケージにある『ノンシュガー』『糖類0g』『シュガーフリー』などの表示で、『糖質ゼロ』と思う人が多いようです。糖類と糖質は間違いやすいのですが、糖質の中に分類されるのが糖類です。つまり糖類はオフでも、糖質はオフではない食品が多々あります。

糖質の実際の糖質量は、栄養成分表示と原材料表示からわかるので、今回は『ノンシュガー』のど飴と『糖質90%オフ』低糖のど飴で、糖質量のチェック方法を説明します。

まずは栄養成分表示をチェック

栄養成分表示には、必ず三大栄養素であるたんぱく質、脂質、炭水化物が表示されています。炭水化物は以下の様に分類されます。

炭水化物-食物繊維=糖質 炭水化物から食物繊維を引いたものが糖質です。
糖質は次の様に分類されます。①と②が糖類です。

①単糖類(ブドウ糖、果糖など)②二糖類(しょ糖=砂糖、乳糖、麦芽糖など)
③多糖類(でんぷん、オリゴ糖、デキストリンなど)④糖アルコール(エリスリトール※、キシリトール、ソフビトール、マルチトール、ラクトールなど)⑤合成甘味料 ※

※ 血糖値を上げないのは、エリスリトールと⑤です。

 

糖質が1粒4.26gもあった『ノンシュガー』のど飴


パッケージには『ノンシュガー』『からだにうれしいカロリー40%オフ』とあり、太りにくいのど飴のイメージを連想させます。まずは、栄養成分表示をチェックしてみましょう。


確かに糖類は0gですが、炭水化物は4.26g/粒あります。この4.26gは糖質のみの数値でしょうか?

こういう時は、原材料(写真上)をチェックします。還元水飴、ペパーミント抽出物粉末、ハーブエキス、香料、甘味料・・とあり食物繊維は含まれていないと推測できます。メーカーに問い合わせた所、推測通りの回答が返ってきました。炭水化物=糖質ということです。つまり1粒の糖質は4.26gもあるわけです。

このように炭水化物のみの表示で、明らかに食物繊維が含まれていない食品は、炭水化物≑糖質と考えて下さい。

 

【森永】糖質90%オフのど飴は、確かに低糖!


『糖質90%オフ』『カロリー50%オフ』などの表示がありますが、こちらの栄養成分表示と原材料表示をチェックしてみましょう。

栄養成分表示(右下)は、炭水化物を糖質と食物繊維に分類して【炭水化物2.8g 糖質0.26g 食物繊維2.5g】が記載されています。1粒の糖質量はわずか0.26g!低糖です。

原材料表示は、使用原材料が多い順に表示されています。食物繊維、ハーブエキス・・となっています。食物繊維を固めた技術で特許を取得。1粒に食物繊維がレタス1個分(2.5g)が含まれているようです。

ペパーミント、レモンバーム、セージ、タイム、ユーカリなど21種類のハーブエキスが含まれているので、口の中でスッとするハーブの香りが広がります。

レタスの食物繊維

余談ですが、レタスは食物繊維が多い野菜というイメージがありますが、実際には食物繊維がほとんどない野菜です。レタスを比較対象物にすると「レタスの何倍も食物繊維が含まれています!」と唱えるわけで、メーカー側の上手な販促テクニックです。
 

小粒の飴をなめたらアカン!

このように、のど飴に限らず『ノンシュガー』『シュガーフリー』『砂糖ゼロ』とパッケージにある食品は、糖類はゼロですが、糖質はゼロではありません。

ノンシュガーの飴1粒でも、糖質が4g以上ありました。低カロリーでも糖質が多ければ血糖値は上がります。血糖値が上がるとインスリンが分泌され血糖値は下がりますが、太るホルモンとも言われるインスリンは、余分なブドウ糖(糖質)を中性脂肪に代えて蓄積します。

口が渇く、喉がイガイガいするからと、飴を絶えずなめていると、太る元を摂っているだけでなく、高血糖状態が続き糖尿病へまっしぐらです。

飴は小粒ですが、なめたらアカン!摂り方によってはこわい一粒にもなります。

 

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